オゾンの特徴
オゾンの原子構造と特徴
オゾン(O3)は、酸素分子にもう一個余分の酸素原子が付いた不安定な構造をしており、無色で独特な臭気があります。自然に分解して酸素に戻る特性(O3_O2+O)があり、この時に放出される酸素原子は非常に強い酸化力を持っています。
自然に酸素に戻り残留性がない
オゾン分子(O3)は、時間とともに酸素(O2)に戻る性質があり、残留物を出しません。
薬品と異なり、大気の汚染や使用後の処理の必要がなく、環境に影響を与えず、二次公害の心配も一切ありません。
オゾンは殺菌・脱臭・漂白・浄化に効果を発揮
殺菌のメカニズム
オゾンから放出された酸素原子は、周囲のあらゆる物質と酸化反応を起こします。
有害な細菌があれば、その細胞膜を酸化することで、細胞そのものを死滅させることができるのです。
その酸化力は、塩素の約1.52倍と言われています。
脱臭のメカニズム
悪臭物質の成分の多くは、酸素原子と非常に反応が速いので、オゾンによる脱臭はとても効果的です。
アンモニアの分解でも分かるように、酸化反応後は悪臭、公害に繋がる有害な物質を出しません。
オゾンは、強力な殺菌・脱臭力を持ちながら、安全な物質なのです。
オゾンの安全基準
オゾンの作業環境基準値は0.1ppm
低濃度のオゾンは人体に有益ですが、濃度が高くなると人体にも影響が出てきます。
濃度の高いオゾンガスを直接吸い込むと、その量によっては死亡事故に繋がることがあります。
有人時には最高0.1ppmを越えないこと、また使用にあたっては、連続的でなく断続的に使用する事など人体に及ぼすオゾンの影響を十分考慮して使用しなければなりません。
生体へのオゾンの影響
オゾン臭の感じ方には個人差があり、敏感な人で0.01ppm、普通の人でも 0.04ppm程度で爽やかなオゾン臭を感じます。
オゾン濃度が人体に与える影響
オゾン濃度 | 影響 |
---|---|
0.01~0.02ppm | 多少の臭気を覚える(やがて馴れる) |
0.1ppm | 明らかな臭気があり、鼻や喉に刺激を感じる |
0.2~0.5ppm | 3~6時間曝露で視覚が低下する |
0.5ppm | 明らかに上部気道に刺激を感じる |
1~2ppm | 2時間曝露で頭痛、胸部痛、上部気道の渇きとせきが起こり、曝露を繰り返せば慢性中毒にかかる |
5~10ppm | 脈拍増加、体痛、麻痺症状が現れ、曝露が続けば肺水腫を招く |
15~20ppm | 小動物は2時間以内に死亡する |
50ppm | 人間は1時間で生命が危険な状態になる |
オゾンガスの発生方法
人工的にオゾンガスを発生させる方法はいくつかあります。
下記は代表的なオゾンガスの発生方法です。
沿面放電式
- 一般的にこの方式が多い
- 耐久性に優れる
- 電磁波が出ない
無声放電式
- オゾンガスの濃度が安定(=管理が容易)
- 直列につなぐことで、高濃度のオゾンガスを発生可能
紫外線ランプ式
- 空気中の酸素のみが紫外線に反応し、オゾンガス(O3)を発生させる
- シンプルだが濃度が低い
コロナ放電式
- 原理は無声放電式に似ているが、発電時の音が生じる
- イオン発生体としても使われる
プラズマオゾン
- 消臭や殺菌によく使われる
酸素ガス発生方法
空気中の不純物(窒素、水分など)を除去して濃度90%以上の酸素ガスを作ります。当社の酸素ガス発生器ではまず電子除湿器で空気中の水分を除去し、次にPSA方式(※)の酸素ガス発生方式を用いて酸素を取り出すことで、不純物の少ない状態にできます。
※ PSA(プレッシャー・スイング・アドソープション)方式とは・・・大気中の空気をコンプレッサーにより圧縮し吸着タンクにおいて空気中の窒素を吸着分離し酸素ガスを得る方式のこと。
リガルジョイントのオゾンガス発生方法
酸素ガス発生器を使って発生させた酸素ガスを原料に、オゾンガスを放電式で発生させます。
この方法で発生したオゾンガスは、人体に悪影響を及ぼすNOxの発生を抑制しています。
熟成オゾン水と塩素の違いは?
塩素系殺菌から熟成オゾン水殺菌へ!
水道水から供給される水は、塩素消毒されています。これは「次亜塩素」という薬品を使用しています。水質に敏感なヨーロッパは、塩素殺菌処理による弊害が明らかになった1960年代から二次処理にオゾン殺菌を使用するようになりました。
オゾンとは、強い酸化力を持つ即効性の酸化剤です。殺菌作用に優れ残留性がありません。細菌より消毒剤に抵抗を示すウイルスに対しても、塩素より効果的です。
また、食品の商品価値を損なわずに長期間保存するためには、酵素による変質を防ぐと共に、微生物など外部からの侵入を防ぎ、汚染を素早く取り除くことが必要です。オゾンは、貯蔵・運搬中の移り香を防いだり、果物の熟成ホルモンであるエチレンガス等を除去して鮮度を保つ場合にも有効です。野菜や果物をオゾン水で洗ったり浸漬した後包装すると腐敗を防ぎ、新鮮さが保たれます。
熟成オゾン水はこれだけの優れた殺菌効果を持ちながら、後処理のいらない安全な機能水なのです。
そしてオゾン水は濃度管理が大変だと思われがちですが、当社の熟成オゾン水生成システムでは濃度をオート制御、しかもオゾン水濃度計でデジタル表示、と濃度管理がカンタンに出来るようになっています。
熟成オゾン水 | 次亜塩素酸 | |
---|---|---|
コスト | ・ランニングコストが安い (理由:原料が空気、水、電気のみのため) ・すすぎが不要のため、時間と水道水の削減 | ・薬剤費が常にかかる (理由:塩素を定期的に補充するため) ・すすぎに大量の水道水が必要 |
殺菌効果 | ・細菌とウイルスに即効性の殺菌効果 ・耐性菌にも殺菌効果あり ・塩素の1.52倍の酸化力を持つ (参考文献「最新高度水処理技術」NTS社) | ・一部の細菌とウイルスに無効 ・耐性菌の管理に要注意 ・酸化力はフッ素に次ぎ第4位 ・口蹄疫ウイルスにも効果的 |
特性 | ・食材を直接殺菌でき、残留しないので安全 ・ぬめり除去に効果的 ・ナノバブルに近いオゾンを含有 ・自己分解性があり、残留性が無い ・薬剤の管理が不要 (必要な時に必要な分を生成) ・オゾン特有のにおいを抑えている ・脱臭/漂白/浄化等に効果を発揮 ・エチレンガスやにおい成分を分解 ・水道水中の塩素を分解 | ・食材の栄養素、風味に悪影響 ・ぬめり除去の効果が低い ・水に溶け易い ・残留性が有る ・塩素水を定期的に補充する必要がある ・塩素臭がある ・漂白に効果を発揮 |
安全性 | ・原料が酸素と水道水 ・酸化反応の後は酸素と水になる | ・次亜塩素酸ナトリウムを溶かした水溶液として使用 ・塩素化反応により発ガン性トリハロメタン類を生成する ・原液は発揮したガスを吸ってしまう 危険性があるため、使用時には保護メガネ、マスクの着用が促されている ・原液が目に入った時や飲み込んだ時は洗浄するよう促されている |
つまり、オゾンは殺菌剤・酸化剤として次亜塩素系薬剤と比べると、次のような特徴を持っています。
- 酸化力がより強力である(次亜塩素酸の1.52倍)。
- 残留性がない(反応後に酸素になる)。
- 発ガン性物質を作らない。
オゾン活用のメリット
- 殺菌・脱臭・漂白・浄化効果がある
- オゾンは酸素に自己分解するため、大気中に解放できる
- 細菌とウィルスに対する殺菌効果が大きい
- オゾンによる殺菌では耐性菌を作らない
- 反応が表面に限定され、内部を変質させない
- 発生量、濃度をコントロールしやすく、取り扱いが安全
熟成オゾン水を社内で活用
当社では熟成オゾン水生成装置「オゾンの泉2」を社内に設置し、社員がいつでも自由に使えるようにしています。
朝出社してうがいや手洗いをしたり、飲み物として水筒に入れたり、汚れたふきんや雑巾を洗ったりと、たくさんの社員が熟成オゾン水を利用しています。
中には「苦手な人もいるかも知れないけれど、あの味が好き」とペットボトルにいれて毎日飲んでいる方もいます。
ここでは社員の声をご紹介します。
オゾン水でお茶を煎れるとおいしい!
社員が休憩時に熟成オゾン水(5ppm)を電気ポットに入れて98℃まで沸騰させて、お茶を煎れます。
社員からは、
「オゾン水で煎れたお茶はカルキ臭がしない、渋みがなくなって、甘みがあった」
「まろやかで飲み易い、茶葉本来の味が引き立つ」
「ポットにカルキが付着しなくなった」
との声が。
カルキ臭が抜けて、よりおいしくお茶をいただけます。
オゾン水でお茶を煎れるとおいしい!
オゾン水の効果を調べるために、当社の熟成オゾン水でお米を炊く実験を行いました。
当社の熟成オゾン水(3.3ppm)で炊いたご飯と、水道水で炊いたご飯とで、味や食感にどのような違いがあるかを比較しました。
(作り方は、オゾン水の場合、濃度3.3ppmのオゾン水でお米をとぎ、30分間かけ流しにする。 水道水の場合、お米を規定量の水道水に30分間浸して浸漬を行う。)
炊き立てのご飯をおにぎりにして、社内試食・アンケートをとった(試食者には、どちらがオゾン水のおにぎりか知らない状態で、おいしさ、香り、甘さ、粘り、柔らかさ、つやなどの項目を回答してもらった)。
アンケートの集計結果から、「香り」、「甘さ」の項目においてオゾン水炊飯で作ったおにぎりを選択した人が多いことが分かりました。
これは、オゾン水でお米を炊くと甘み成分を引き出せる可能性がある事を示しています。
またその可能性には、お米に対するオゾンの浸漬率が関係していると考えられます。
オゾン水でさらにおいしくお米を炊く方法については、現在追求中です。
お風呂場のカビが消えた!
「お風呂場の茶色いカビに、持ち帰った熟成オゾン水をかけたら一瞬でサッと消えました。塩素系の薬剤を使うとしばらく塩素臭くてお風呂に入れないのが悩みでしたが、熟成オゾン水は使用後ににおいが残らなくて快適です。
塩素系の薬剤は混ぜるとキケンだと書いてありますし、あまり使いたくなかったんです。今では孫と一緒に入るのが楽しみになりました。それに熟成オゾン水で殺菌 した後はカビが生えなくなって驚いています。」
熟成オゾン水(濃度3~4ppmほど)を会社でペットボトルに入れ、30分~1時間持ち歩いたそうですが、効果は十分だったようです。(一般的にオゾンは分解しやすく、保存には向かないとされています。)
梅雨、ぞうきんのイヤなにおいが消えた!
「梅雨にぞうきんを洗って干していても、においが残るので気になっていました。でも熟成オゾン水で洗って干すと、においがしないんです。」
熟成オゾン水(濃度3~4ppmほど)で流しながら洗ったそうです。繊維についた汚れや、においのもとに殺菌効果があったと思われます。
熟成オゾン水で手洗い・うがいができる !
「もともと免疫力が弱く、冬場に風邪を引きやすい体質なんです。だから熟成オゾン水で手洗い・うがいをして毎日気をつけてます。」
熟成オゾン水なら殺菌できて肌にも優しいですから、一石二鳥ですね。アルコール消毒と違ってあかぎれしない、手が荒れない点が好評です。昨年の新型インフルエンザが流行った時期(特に朝)、社内に設置している「オゾンの泉2」周辺は手洗い・うがいをする人で混雑していました。
無菌酸素水で新芽が生えた!
「自宅で大文字草という植物を育てています。ペットボトルで熟成オゾン水を持ち帰り、次の日の朝に水やりに使っていたら、二週間ほどで10枚も新芽が出てきました。酸素いっぱいでよく育っているようです。」
ペットボトル内で10時間以上保存したそうなので、熟成オゾン水は酸素を多く含む無菌酸素水になっていますね。
植物に酸素がたくさん供給され、生育促進効果があったようです。