開発のきっかけ
一般的に逆止弁の軸受けは弁軸のガイドになると共に、バネ受けの役目もしています。
この軸受けと弁軸のスキマに水アカなどの異物が付着し動きが悪くなることもあります。
バネによって常に弁体をボディーに押し付けているために信頼性が高いのがこのタイプの逆止弁の特長です。しかしその反面、圧力損失が高くなるといったマイナス面も含んでいます。
一方、リフトチャッキ弁タイプは取付姿勢によっては弁が開き、逆流してしまう恐れがあります。そして逆止弁は可能な限りメンテナンス無しで長期間の使用に耐えなければならない安全装置です。
当時のリガルジョイントでは
- 圧力損失が少ない
- 弁体が戻る時に安定し、確実なシール性で逆流を防止する
- 大流量が流せる
- 微圧で動く
そんな逆止弁とは・・・?と、全く新しい構造を模索していました。
その時、ある記憶が脳裏をかすめました。
開発課のある人が昔体験した出来事・・・子どもの頃、遊んでいてビー玉を飲み込んでしまったそうです。
その後、大人になって盲腸(虫垂)炎の検査をした時に、そのビー玉が見つかりました。
体に害はなく、腸の中でうまくフィットしていたそうです。
異物に流されず体内に留まっていたため、逆止弁の効果があったのかもしれません。
製品の誕生
微圧で動く逆流防止弁「トマル」!
従来の逆止弁の問題を解決するトマルの特長とは
- 弁体構造は円錐形でテーパーシール!クラッキング圧力が低いため圧力損失が少ない。
- 一般的な逆止弁に比べ、トマルは、軸受け部分がなく、流路がまっすぐなので、大流量が流せます。
- また円錐形であるため、常に中心に向かって弁体が安全しようとする状態にあります。(これが当社独自の「自動調芯」構造です)弁体戻りの安全性が抜群で、確実にシールできます。
逆方向から流れようとする流体は、弁体がボディに強く押し付けられた結果、Oリングが働きシールされるわけです。
- 一般の逆止弁のバネは、収縮時に一定の圧力が必要なのに対し、トマルは微圧で作動します。
また、どれくらいの水量が流せるかというと・・・
装置への使用事例
トマルはこんな所に使われています。
幅広い分野でご利用可能です。
お客様の声
実際に使っていただいているお客様からはこんな声をお聞きしました。
- 「軸がぶれても必ず中心に戻るから、トラブルが少なく、重宝している」
- 「マニホールドに組み込めるのがいい」
- 「コンパクトで小さく、配管のジャマにならない」
開発者から
逆流防止弁「トマル」は、私の腸の中にあったビー玉がヒントとなって開発されました。腸の中に何年も痛まずに存在し、逆流防止の役割をしていたのでは?ということから通称「盲腸バルブ」という名で開発がスタートしたのです。流れに逆らわず損失を小さくし、逆流をしっかり止めるというコンセプトを基に透明アクリルで試作して動作状況を観察し、弁体構造を何度も試作し最適化させました。特長である、微圧で動作し損失が少ないことと、弁体が流れにそって動き流体中の異物が付着しにくいこと、そしてボディが一体型であることは設計者が安心して選択でき、施工者や設備にもやさしい製品です。一方向しか流さない、生真面目な彼の一本気を是非ご活用ください。